白癬菌の治療の経口薬に睡眠成分が含まれていた問題
・小林化工さんのHPを見ると
処方以上の分量を投入したように読み取れる。
元々この薬に含まれている原料の量を間違ったという説明である。
・日経を読むと
本来投入する原料とは異なった原料と投入!と記載されている。
・医薬には
医薬GMPという厳守するべき製造上の約束がある。
厳しい内容で、製造部とは独立した品質保証部が、GMPに基づいて社内品質基準を作り、誰が作業しても同じ結果(=品質の保証)が得られるのを担保する。
・GMPに従えば
製造に使われる機器、システム、部屋、手順等を全て監査し、品質が保証される事を確認するこれをバリデーションという。手近な所ではトイレの網戸穴や換気扇も監査の対象である。
・GMP上、原料確認と秤量は
必ず独立した二人の作業が義務化されている。
黒ボールペンを使用し作業時の担当者、日時をすべて記入する。
ミスした場合は、二重線で消して証拠を残す。
・実際に
あるメーカーさんはピッキングで棚場所での確認、倉庫出庫での確認、現場受け取りでの確認
秤量時の確認、投入時の確認と5回実施している。勿論2人+バーコードである。
・これをカットすれば
確かにコストダウンになるがGMP上、許されない行為である。
・大概の医薬メーカは、
システムを導入し、バーコードやQRコードで原料の取り違いを確認し、
秤量値も自動取り込みを実施している。
・毎日製造原料動態を確認
在庫が理論値と一致しない場合は、作業を停止して、その原因を追求する。
これもしていない
・生産管理の常識として、次の工程に進めない
途中工程で検査し検査でNGの場合は、次の工程に進めない、
そのバッチはすべて破棄する。
その為に検査担当は通常24時間体制である。
工程責任者、製造責任者、製品管理責任者すべての段階で検査が入るが、
どうなんだろうか。
・システムの導入を考えるとなると
液体系のシステムの場合、大手システム会社さんなら数千万スタートである
それにプラスして購入額の8~10%保守料が発生する。
これにGAMP5対応のバリデーション作業費がほぼ同額発生する。
でexcelでいいやとなる。
・GAMP-5
珍しくFDAでなくヨーロッパでの規格がスタートであり、FDA,中国、日本も追従して
いる。システム導入はGAMP-5対応でのバリデーションが必須である。
GAMP-5は概念だけであり、読んでもじゃあ、どうすればいいの状態になる。
要は、製薬会社の実情に応じて、ルールを作り、それを文章化し、ルール通り作れば
品質が保証されるか確認し複数でチェック文章化しなさいという事である。
・手順とひな形の提供
GAMP-5対応を大手システム会社に相談すると、すぐにコンサルタントを紹介され月額200万
スタートで最低1年、様式のひな形提供だけで600万といった世界である。
弊社はすでにひな形や手順のノウハウを持っており、廉価での提供可能なんだけどなあ。
・システム自体も
大手様の年間保守料程度で、レンタル可能ですよ 真剣に探してみてはいかがでしょうか
追記:2020/12/12 NHKの報道 死亡が1人、運転中の交通事故が14件
メーカーは原因として量を間違えのケアレスミスと初期にHPで報告していたが、
原薬の取り違えという重大事故(GMP、薬機法、確実に業務上過失致死)
そもそもGMPに従うと、原薬の取り違えは絶対に発生しない
それと
富山県の薬務担当部署と保健所の怠慢
(監査で何を見ていたのか、FDAの監査を見たことがあるがg単位の在庫差まで
チェックしていた。)
医薬品製造メーカーは、常識として品質保証課がある。
通常は品質保証課が製造や品質管理とは独立した組織で製造過程や、製品を厳密にチェック
してる
例として
先日弊社生産管理システムで在庫棚卸表の印字内容を一部変更した。
医薬以外ならは設計書だけだが、医薬の場合、書類だけでFMS,IQ,PQ,OQ等々、それも各書類ごとに
計画書と報告書を作成し、計画書に基づいて、すべてボールペンで日時担当を報告書に記載し、実行結果もハードコピーを要求される。
それらの書類をすべて品質保証課が監査し承認後にやっと運用できる。
印字内容の一部変更でコレである。製造設備で内管理ソフトでさえ、膨大な作業である。
実際に薬品を製造している設備の変更や工程の変更等々なら、とんでもない作業量が要求されるが
品質保証課が責任を持って監査する。これが医薬製造である。
医薬メーカーで原薬の取り違えは考えられない、、、、
仮にあったとしても、製品検査をすり抜けるのがあり得ない、、、
富山の薬務課は何をしていたのだろう、
これって、富山県全体の医薬メーカーが信頼できないと思われているのを理解しているのだろうか?